考えることが好きな人

思考の補助線 (ちくま新書)

思考の補助線 (ちくま新書)

これは面白かった.そして実に共感できる本でした.茂木さんが以前「R30」に出演されていたとき,「科学者って言うのは,朝起きて『今日こそはあの問題を解決してやる』とか意気込んで,結局『解決できなかったなあ』とかっていって寝るようなことに快楽を見出すものなんだ」とおっしゃっていたので,私なんかすごくシンパシーを感じるところがあるのですが,もうね,何歩も先を行きすぎです.博識で,文章も美しい.文体云々について私はよくわからないのですが,難しそうな書き方をしているんだけど,ちゃんと読めるギリギリのラインみたいなところでうまくまとめてあるのです.

果たして数学者の端くれになろうとしている私が,どうやって「世界全体を引き受ける」のか,これは私がこれから模索せねばならないテーマでもあります.殻に閉じこもることはいけない.もっと広く物事を見ないと.