「ただ感心する」ことが原体験だ

こっからはちょい,語りますよ.

カルトQまつりはまさに,「置いてけぼり」な感じでした.だってこっちには知識ないんだもの.ただ解答者の知識と早い押しに感心するばかりでした.

観戦中に思ったんですが,こうした「置いてけぼり感」というのは,私たちが初めてテレビでクイズ番組を見たときのそれに似ている気がするんです.あの頃ブラウン管の中で難しい問題にスラスラと答える人たちを見て,子供の私たちは明らかに置いてけぼりにされました.ただただ,「すげーなー」と感心するしかなかったわけです.しかし,そんな中に,フッと正解できる問題があると嬉しい.その嬉しさを拗らせた結果,私なんかこうやってクイズを続けている訳ですが.

カルトQまつりの観戦っていうのは,アサイン・ボルトの100mとか,マイケル・フェルプスの競泳とかを見るように,ただ凄いと言うしかない.しかしながら,この「純粋な感嘆」を,クイズを本当にやりだすと忘れてしまいがちでもあります.「自分は知らない,でもこの人は知っているんだ,すげぇ」から,「自分は知らない,でもこの人は知っているんだ,だから憶えなきゃ」になっていく.それは仕方がないんだけど,それでも初心に帰ることができる場面はあってほしいとも思います.

だから,もっと色々な人,特に『カルトQ』を知らない人にも観てほしいです.メモとか取らなくていいです.壇上の参加者を,感嘆の視線で,或は奇異を見るような視線で見ていれば十分ですよ.本家の『カルトQ』も,結局はそうやって,「すごーい」という番組ですし.