こうして定期で読んでいるブログを読んだときの呟きを残しておくことこそブログの真骨頂というものではないのか.

線形代数の難所とアダムとイブと矢印一元論 - 檜山正幸のキマイラ飼育記 (はてなBlog)

「どちらがいいか」的議論は抜きにして,双線形形式と線形汎関数(双対空間の元)との間の関係というのは,次の関数解析のLax-Milgramの定理に通じるものがあります.

Lax-Milgramの定理
HをHilbert空間とし,B:H×H→RをH上の有界かつ強圧的な双線形形式とする.このとき,任意の有界線形汎関数F:H→Rについて,任意のx∈Hに対して,B(x,f)=F(x)を満たすようなf∈Hがただ一つ存在する.

ここで,「Bが有界」とは,ある定数C>0が存在して,任意のu,v∈Hに対して,|B(u,v)|≦C||u||・||v||となること,「Bが強圧的」とは,ある定数D>0が存在して,任意のu∈Hについて,|B(u,u)|≧D||u||^2となることを言います.||・||はHのノルム.
この定理は偏微分方程式の解の存在を示す上で絶対必要になるので,私なんか忘れたら万死に値する代物です.
Banach空間の場合に対応物があるのかについては聞いたことがありません.その辺の本を探せばあるんだろうけど.先のブログの3つの流儀がBanach空間でどこまで対応づくのかは暇があったら考えてみよう.
以上,オチはありませんぜ.普段からそうだけども.